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パワー・アンプのボリュームについての間違い
オーディオ関連のサイトには、おかしなものがたくさんあります。ただ滑稽なだけならば笑い話で済ませられますが、その内容が、皆様を不必要に惑わせ、オーディオの泥沼に突き落としてしまうようなものであっては、笑えない話です。
そこで、今回は、当店ことオーディオの悩み・苦悩を解決するショップでも出しております、Thomann S-75 mk.2 をはじめとする、特性のしっかりした、プロ用パワー・アンプのボリュームの使い方について、記述します。
基本的に、プリアンプ(ミキサー)は、アレン & ヒースのような超高性能のものをお使いになられることを前提にします。民生用のプリアンプをお使いになられるくらいならば、パワー・アンプに直結の方が、音はずっといいです。その場合ですと、ボリュームは単なる音量調節つまみです。ここで述べるような問題は生じません。
結論から先に言えば、セッティングの際には、ミキサーの側は、フェーダーを 0dB のところまで上げてください。その上で、お客様ご自身が実際に聞く、最大音量でセッティングされてください。その分、パワー・アンプの側は、ボリュームを絞ります。セッティング完了後は、パワーアンプのボリュームは固定です。お客様が実際に音楽を聴くときの音量調節は、ミキサー側のフェーダーでおこなってください。
なお、ミキサーのフェーダーは、通常、上の方の位置で音量を調節するのが常識です。民生用のプリアンプのように、音量つまみを下の方だけで調節するようなものは、値段の高低に関わらず、品質が低いですから、相手にされないでください。あれは、音量に余裕があると見せかけて、格好をつけているだけの代物です。もちろん、夜間はミキサーのフェーダーを随分絞って聞かなくてはならない場合もありますから、その点は例外とします。
さて、ところが、パワー・アンプのボリュームに関して、とんでもないデマを撒き散らしているサイトがありましたので、ここでは、それを正しく軌道修正しておきます。以下、そのデマの要約です:
パワー・アンプのボリュームは、無いのが理想的である。
パワー・アンプのボリュームは、基本的には全開で使用するのが、一番良い音になる。
(それは、音を劣化させるボリュームの影響が最大限、軽くなるからである。)
というものです。その上で、ミキサーを使うか否かに関わらず、音量調節の際には、パッシブボリュームコントローラなどで、音を絞れ、と言っているのです。バカバカしいにもほどがあります。彼らの言うことなど、信用されないでください。もう一度、言います。
パワー・アンプのボリュームを全開近くにしてはいけません。
パワー・アンプのボリュームを全開にするなどということは、大いなる間違い、とさせていただきます。パワー・アンプのボリュームにつきましては、ミキサー側で音量をあげて、パワー・アンプの側では、自分で必要な音量を損なわない範囲で、可能な限り、絞ってください。これが常識です。
では、なぜ、パワー・アンプのボリュームを全開にした方が良い、などというような間違いが大手を振って、まかり通っているかというと、おそらくは、音の焦点にまつわる問題が原因であると思われます。
私自身、パワー・アンプのボリュームを大きくすると、音の勢いが良くなる、という声を聞いたことがあります。逆に、パワー・アンプのボリュームを絞ると、音が痩せる、とおっしゃるかたもいらっしゃいます。
しかし、真実は異なり、一般に、パワー・アンプは、ボリュームを上げると、SN 比が下がり、音の密度が薄くなります。ボリュームを下げると、SN 比が上がり、音の密度が濃くなります。
つまり、パワーアンプのボリュームを絞る目的は、
可能な限り、SN 比を上げること
だったのです。
では、なぜ、パワー・アンプのボリュームを絞ると、一見、音が痩せて聞こえるのか。それは、ボリュームを絞ることにより、音の焦点がシャープな方へ振られ、高域が耳につきやすくなり、中低域が痩せて聞こえる場合が多いからです。逆に、ボリュームを上げることにより、音がマイルドな方へ振られますから、それは取りも直さず、一見して、音が豊かに聞こえるのです。この二点につきましては、私自身も、民生用のパワー・アンプを使っていた時期に、経験のあることです。
しかし、パワー・アンプのボリュームを絞り、音が「痩せて」聞こえるときは、スピーカーケーブルにて、音の焦点を調節しなくてはいけません。メッキ線材であれば、スピーカーケーブルを切れば良いです。非メッキの銅の単線であれば、スピーカーケーブルを長くすれば良いです。たったこれだけで、音の焦点が、マイルドな方向へ調節できます。セッティング、特に、音の焦点というものは、こういう部分で、手を抜いてはいけないのです。
その結果、パワー・アンプのボリュームについては、ボリュームを上げるよりも絞った方が、音の密度が濃くなり、より濃密な、生音に近づくということが、お分かりになると思います。音の焦点さえ合わせれば、ボリュームを絞ることにより、音が痩せたままであるとうことは、決して、ありえません。
※ボリュームを上げる目的はと言えば、プロの現場で、客席へ音を届けるために、必要な出力がどうしても足りない時のみで、音質のためではありません。ご家庭でのご利用の際には、パワー・アンプのボリュームは、必要な音量を損なわない範囲で、可能な限り、絞ってください。
なお、パッシブボリュームコントローラーやラインセレクターのようなものは、インピーダンスの特性などが厳格に管理されておらず、音質を大幅に損ねます。そのようなものをお使いになられるくらいならば、音源からパワー・アンプへ直結の方が、音はずっといいです。この点も、プロケーブルサイトの方で告発されているはずです。ミキサーをお持ちの方は、パッシブボリュームコントローラーなど必要ありません。ミキサーとパワー・アンプの間に、パッシブボリュームコントローラーをかますなどということは、しないでください。見るも無残な音になるだけです。ミキサーとパワー・アンプのみをお使いください。
最終的な結論を、もう一度申し上げます。パワー・アンプはボリュームを絞って使うものです。ボリュームのないパワー・アンプなどは、論外です。相手にされないでください。以上の二点を、認識されてください。
以下は、お客様の声となります。